ヘアカラー剤は、1剤と2剤に分かれています。
この2つの薬剤はそれぞれ別の役割を持っていて、使用前に混ぜることで髪を染めるための化学反応が起こります。
1剤の成分
- 酸化染料
- アルカリ剤
- 界面活性剤など
2剤の成分
- 過酸化水素
薬剤を混ぜるて髪の毛に塗布すると、
髪の内部に浸透→→元の髪の色を脱色→→髪に色をいれる
という働きが起こります!
ではこの2剤の過酸化水素はどのような役割をしているのでしょうか?
ヘアカラー剤2剤の役割
1剤のアルカリ剤と2剤の過酸化水素の化学反応により、メラニン色素を分解して、髪の毛を明るくする働きがあります。
【ヘアカラーの基礎知識】ヘアカラーの仕組み!
でも詳しく書いてますので、チェックしてみてください。
過酸化水素【オキシ濃度】の違い
2剤の過酸化水素のことを「オキシ」と言います。
2剤はオキシ濃度を変えることができます。オキシの濃度です。
オキシ濃度を変える理由は
ヘアカラーのダメージを少なくするためオキシの使い分けが必要となります。
毛先などのダメージがある部位や、色だけを入れて明るくしない、または今よりも暗くする場合は
低い濃度の2剤が適し
明るくしたい場合は高い濃度の2剤が必要となります。
日本で使われているオキシ濃度
日本でオキシは
6% 5%(4.5%) 3%
に分けられています。
オキシ濃度が高いほど、明るくなる力が上がるとともに、ダメージも強くでます。
オキシ濃度が低いほど、明るくなる力が低いですが、ダメージも少なく、発色も良くなります。
だいたい20分を過ぎると、オキシ6%よりも、3%も方が発色が強くなっていきます。
- 明るくする場合は6%
- 暗くする場合は3%
- 根本のリタッチを明るくしながら色を入れる場合は4.5%
- ダメージ軽減には3%
3%のオキシは根本リタッチのリフトアップであれば、少し明るくなるくらいです。
さらにオキシには
AC1.5%(約)のアルカリキャンセルという2剤もあります。
アルカリキャンセルの役割
アルカリキャンセルは髪の毛を明るくすることはありません。
AC1.5%(約)アルカリキャンセル効果で、1剤のアルカリ成分を中和し、弱アルカリカラーにしてくれるのです。
(アルカリキャンセルにも濃度があります)
つまり、すでに明るい髪やダメージ毛に対して、低ダメージのヘアカラーができます。
ダメージせずに色味のみをしっかり入れたい場合は、アルカリキャンセルを使うことをおすすめします。
例えば、3%とアルカリキャンセルの使い分けをするとしたら、
- 暗くしたいけど、少し色味を削りたい場合→→3%
- 暗くしながら、色味もしっかり入れたい場合→→アルカリキャンセル
といった感じで使い分けたりします。
オキシ濃度と発色
前述の通り、オキシ濃度の違いで発色の濃さが変わりますが、
色味によっては、酸化染料ごとに、発色のスピードが違います。
放置時間の違いにより仕上がりの色味に影響する場合があります。
1剤に対しての2剤の割合
オキシ等倍
メーカーが推奨している配合なので、基本的には等倍であるば、明るさや色味は希望のカラーになりやすいようになっています。
オキシの量が少ないと、
- 【アルカリ+過酸化水素→→→明るくなる力】明るくなる力が弱くなる
- 【酸化染料+過酸化水素→→→発色】発色しづらくなる
と、なかなか希望の明るさ、発色がうまくいかなくなります。
オキシの量が多いと
染料が薄まってしまい、発色が薄くなってしまいます。
特に、白髪染めは白髪が染まりにくくなるので必ずオキシは等倍です。
オキシ2倍
おしゃれ染めの12レベル以上のカラー剤にオキシが2倍になります。
理由は
1剤のアルカリ量が多いからです。
1剤に多いアルカリだけでは髪の毛を明るくすることはできません!
1剤に対して2剤が等倍だと、過酸化水素が足りません。
なので、過酸化水素を2倍にすることで、多いアルカリとで、明るくする力を上げてしっかりトーンアップしてから、染料も発色させます。
しかし、ブリーチ力(明るくなる力)が上がれば上げるほど、発色も薄くなります。
ブリーチの場合
1剤のアルカリ量に対して、オキシを等倍、2倍にしますが、
オキシを3倍以上多くしたからといってブリーチ力が上がる訳ではあるません。
逆に1剤の染料も、アルカリも薄めてしまい、十分な発色も明るさもでない場合もあります。
ブリーチの場合はメーカーによって、だいたい基本が、オキシ2倍が多いです。
中には1.5倍や3倍を推奨するメーカーもあります!
ブリーチ剤は一般的には粉状のものが多く使われています。
髪に塗布をし始めるとだんだん乾いてきてしまうので、オキシを2倍、3倍にする場合もあります。
ブリーチ剤が乾いてしまったらブリーチ剤の反応や効果が止まってしまいます。
メーカーによっての使い方や、実際使ってみての使い心地によって、オキシの倍数を変えましょう。
2剤オキシは目的に応じて
2剤オキシの役割を知って、髪に対して何が目的なのかを理解して使うことが、希望のカラーを作ることや、髪をダメージから守るコツですね!!
ぜひ参考にしてみてください!!